柿渋 Persimmon juice
柿渋は渋柿を青いうちに収穫し発酵させた赤褐色の液体。渋柿の中でも最も渋みが強い(=タンニン成分が多い)品種(天王柿・鶴の子柿・田村柿など)を原料に使う。これらはポリフェノールの一種(植物が虫や菌などの外的ストレスから自己を守る防御物質のひとつ)、柿タンニンを豊富に含んでいます。柿タンニンは、防水、防虫、防腐、消臭効果などがあるといわれており、家具の塗りや衣類の染めに使うことで、その効果が発揮されます。
うちわや傘、紙衣の強化材としても用いられてきました。伊勢型紙の地紙(渋紙)用には、主に和紙を張り合わせる接着剤として、その強度を増すために使われてきました。渋紙の出来・不出来は、柿渋の品質によるとまで言われました。一閑張りの和紙に塗る等にも用いられます。またタンニンが水溶性タンパク質と結合して沈殿を生じさせる性質は清酒の清澄剤として現在でも利用されています。
柿渋は、青い柿を最も渋みの強い時期(8月頃)に採集し、その日のうちに砕いて搾り濾過します。この搾り汁を自然発酵させた後、長期保存します。次第に澱(おり)が沈澱し、それを除いた上澄み液が柿渋となります。 これを1年から3年以上かけてねかし熟成してつくりますが、古いものほど良いとされます。搾った直後は薄い緑色の液体ですが、発酵後、時間とともに茶色くなっていきます。
私どもは柿渋を材木の仕上げ保護剤として使用していますが、塗料としての柿渋は、ウレタン塗装などしっかりと塗膜を作る塗料、また表面が一定の艶となるオイル塗装とは異なり、材木の本来の艶、香り等の風合いを生かしつつ表面を柔らかく保護し、太陽光や照明光を柔らかく受け止め、自然素材の経年変化の味わいをより深くしてくれる、他にあまり無い貴重な“素材”の一つだと思っています。
Persimmon astringent is a reddish-brown liquid that is harvested before the persimmons mature and fermented. Older ones are better. It is alight green liquid immediately after squeezing, but gradually turns brawn as it ferments.
We paint persimmon juice on woods. It protects the surface softly while making the best use of the original luster and fragrance of timber. The timber painted with it softly receives sunlight and illumination light. And it brings a better texture to the aging of natural materials. I think it is one of the rare and valuable material.
玄関カウンター、玄関框:カヤ、柿渋塗装
梁、窓枠:杉源平柿渋塗装
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