K邸、古材立礼茶室
設計:中山福太朗+木村全伸工務店 施工:木村全伸工務店
協力:島村葭商店
代々、油売りをされていた築150年の家を解体した古材を再利用した、立礼茶室。いつも綺麗に磨かれていた松の天井板。お施主さんが子供の時飛び跳ねていた床の間の欅板。階段の手すりに使われていた煤竹。欄間障子。板襖。古箪笥。古柱、梁たち。考え得る限りの再利用のデザインを考えました。
ベンチの板、建築化粧梁はすべて柱や梁に使われていた欅古材。階段の手すりに使われていた煤竹を床柱に。
中山福太朗さんによるしつらえ。おめでたい席にぴったりの淡川康一さんによる
大黒様のお軸。
お花は、福太朗さんが茶会の行く途中に、琵琶湖そばの藪に入って、探してきた椿と清水志郎さんの花器。
立礼席用水屋兼ミニキッチン。古箪笥の
扉と、金具類を再利用。
松天井板。幅30~50センチ。常に荏油で、磨かれていたそうで、今回も設置前に再度荏油を拭き込みました。床は、桐材古色、足当たりが柔らかく素足でも心地が良い。
お施主様が子供の時(60~70年前くらい?)
飛び跳ねていたらしい二階の床の間の床板。欅、全長約4m、幅90センチ。
(実用性のため三等分に。)
立礼卓。天板に床の間の床板を、三方幕板に床の間の柾目天井板を再利用。
玄関土間。古建具板戸の杉板の破材を寄せ集めてうずくり仕上げの市松張りに。
円窓と飾り棚。天井に古材杉板と煤竹押さえ。古建具を寸法調整。
円窓の奥に、お施主さんのアイデアによる、梶村工芸さん製作の透かしガラス建具。季節により交換することができる。こちらは、春の作品。
トイレの障子。古建具欄間を、サイズ調整し縦使いの障子へ。
完成披露茶会。おせわになった方々をお招きしての気楽な茶会。
亭主は共同設計者の中山福太朗さん。
茶室の前に、象工舎さんとのコラボの茶庭。蹲の前の地面下に代々使われてきた油坪を埋め込んだ水琴窟を作成。延べ石、飛び石も、基礎に使用されていたものを再利用。欅ナグリの塀と栗材の囲い。