検索
  • きむら

失われつつある素材


茶室、数寄屋われる材料には、その作り手がなくなりつつあるものが多くあります。

錆丸太

普通、木の伐採をしない5月~6月の梅雨時期に伐採して、皮を剥ぎ、そのまま山で寝かせると、天然の樹液がでてそれがサビ(天然カビ)になります。そのサビの頃合をみて切り出し、そのあとロウで磨いて完成します。天候や、一本一本の木の成長によって、模様も一定でなく色々な表情が生まれます。材種は節のない檜錆丸太と出節のある档(アテ:あすなろ)錆丸太があります。档錆丸太は丹波、能登などで生産されます。茶室、数寄屋で使われる以外は需要はあまりなく、檜の錆丸太は以前は京都の京北でも生産されていましたが、今はほとんど生産されていないそうです。

黒檜(クロベ)へぎ板

別名ネズコ、ヒノキ科クロベ属。へぎ板は木の繊維をこわすことなく自然な目にそって、熟練職人が手で割り、長さ3尺くらいの目の細かい木を厚さ1分(3ミリ)程度までに薄くして作られた板です。目がつまった樹齢数百年のものでものでないと、へぎ板になりません。へぎ板は、昔から茶室の天井に多く用いられていますが材料自体も近年手に入れることが難しくなってきており、またその技術を持たたれている方は数えるほどです。

芽付き竹

真竹の成長した先端部分。茶室、数寄屋の垂木に使われます。裏表交互に枝分かれした部分を見せて、その景色を楽しみます。竹は外部で使用すると傷みやすいので、節の間が詰まっていて肉厚で、クセなく真っすぐ伸びているものが理想です。この芽付き竹も育てている方が少なくなってきています。

一度失われたものを取り戻すことは非常に難しい。建築の作り手として、これらの材料、技術をどのようにして残していくか、考えていく必要がありそうです。


61回の閲覧